取材目的でシリアに渡航しようとして、政府にパスポートを取り上げられ、渡航を止められているフリーカメラマンの男性が話題になってますが、言論の自由、報道の自由、渡航の自由を掲げたジャーナリスト達と、国民の安全を守る立場の国との対立が熱しています。
ジャーナリストな観点から見ると、今回の政府の判断は国民個人が持つ「自由や権利」を確かに脅かしていると言えますが、一方の政府の観点から見ると、国際的なテロ組織の地域に入るのは自殺行為であり、黙って見過ごすことは到底できないでしょう。
今回のフリーカメラマンが自由の名のもとに、死の危険も熟知した上で尚も渡航したいと言うのも本人の自由であると言えます。
つまりは、他殺であれ自殺であれ、死そのものを受け入れるのも本人の自由であり、それだけを見れば本人以外の第三者がどうこう言うものでも無く、死ぬ覚悟で行きたいなら行けばいいのです。
ただし、今回の件では問題は別の所にあります。
彼に死の危険を与えるのは、事故や想定外のトラブルでは無く、国際的な犯罪殺人集団の地域だという点です。
既に彼の命は、彼個人だけのものでは無いと言うことです。
今回、自由を掲げて訴えている本人はもちろん、他のジャーナリストや擁護派の人もこの点が理解できていないのだと思います。
報道するのは自由です。
海外へ行くのも自由です。
どこで死ぬのかも自由です。
ですが、他人に迷惑をかけるのは自由ではありませんし、無関係なその他多くの日本人を危険に晒すのも自由ではありません。
仮にこのフリーカメラマンの男性が、自由の元にシリアへ入り、自由の元に撮影を行い、自由の元に人質として拉致されたら、その瞬間から彼自身の自由は無くなり、彼はテロの単なるコマの一つへと変わります。
自由を掲げてどうしても現地入りしたいのであれば、自分が人質になり殺害される瞬間までの全てに責任を持たなければなりません。
渡航前に日本人としての国籍を捨てるなり、マスコミを通じて国民に向けて正式に自己責任なので構うなと報告でもしてください。
後の海外からのバッシングを避ける為にも、日本政府のみならず世界へ向けて、救出は不要とのメッセージなり誓約書なりを残してください。
自由とは、わがまま勝手に何をやっても構わないモノではありません。
今回の件で、ジャーナリストら擁護派の人の中には、自由を履き違えている人が多くいるなぁと思いました。
世界中のテロ組織や殺戮集団だって、人を殺すのも自由と思ってるでしょう。
そんな自由を認めてるのと一緒だと思います。
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