Windowsが起動しなくなったとか、重くて作業できないと言った類のものですが、3件とも共通しているものがありました。
その3件のどれもに【Registry Booster】という名前の自作自演ソフトが実行されていました。
これは前にも紹介しましたが、いわゆる【詐欺まがいソフト】の一種で、ネット広告やフリーソフトなどを介してパソコンにインストールされ、何やら勝手にガリガリ音を立てながら作業を行ったのち、大量のエラーや不具合が発見されたので金払って解決しろ!ってな文章を表示させるものです。
詐欺まがいと呼ばれるのは、この大量のエラー報告は全くのデタラメで、自作自演だということ。
また、騙されて一旦入金してしまうと、解約は驚くほどとてつもなく面倒で、放置すると永久に年会費が引き落とされるという悪質なものです。

このソフト、存在自体は数年前からありますし、セキュリティ的にも対策されてると思うんですが、何故にこの短期間で、しかもこんな田舎の狭い市内で立て続けに依頼が来たのでしょう。
お客様のパソコンの使用状況を詳しく調べたわけでは無いですが、3件とも共通している点があるのに気付きました。
1つ目は、WindowsXP Home editionを使用していると言うこと。
2つ目は、前日にYoutube、ニコニコ動画などの動画サイトを見ていたと言うこと。
3つ目は、Adobe Flashの更新を行なっていないと言うこと。
侵入経路としてはネット上のリンクや広告の他に、海外製でフリーのCD・DVD書き込みソフトや、同じくフリーの動画変換ソフトなどにもついて来る事があるので一概には言えませんが、知らずに自分で何かしらのリンクを踏んでしまった可能性も高いです。
ウイルスとは違って削除の方法は通常のソフトのアンインストールと同じように行えますし、嘘だと解ればウザイだけで実際の被害は無いのですが、ちょっとした落とし穴もあり、今回の2件もその罠にはまっていました。
それは、【パソコンの性能不足】による悪影響です。
この自作自演ソフトは、いかにも作業を行なっているかのように、ハードディスクをガリガリ音を立てながら勝手にスキャンしまくります。
パソコンの性能が低いと、この作業の間は他の作業に支障をきたします。
今回2件のお客さまもこれにより被害が拡大したんですが、1件ではWindowsのアップデートの真っ最中にこいつが動き出したおかげで、パソコンがフリーズ状態となり、慌ててリセットしてしまった所、Windowsのシステムが破壊されて起動不能に。
別のお客様では、ソフトを起動しようと何度かクリックするもパソコン全体が固まったようになり、何もできなくなっていました。
これは何度もクリックした分、裏で多重起動されていた状態となり、パソコンの処理が全く追いついていなかったのです。
こうなると、無害のようなソフトも一転して完全に害です。
ある日突然、【大量の不具合が発見されました!】とか【無料スキャン!】なんて文字が画面に出ても、騙されてハイどうですかとクリックしないでください。
パソコンがいくら進化して親切になったと言っても、ある日突然そういう画面が出ることはありません。
騙されないようにしましょう。
その為にはWindowsの更新、Adobe Flashの更新、Javaの更新のお知らせが来たら必ず行いましょう。
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